『よくわかるHTML5+CSS3の教科書』(大藤幹/マイナビ):本格的に学ぶための最初の一冊としておすすめ

これからHTML5/CSS3について学ぼうという人が読むのにぴったりの本です。

たとえば「なんとなくならHTML やCSS についてわかるけど、けっきょくどういうものなのか理解していない」とか、「XTHML からHTML5 に変更するメリットやデメリットはなんだろう?」とか、「CSS でサイトのデザインを変更してみたいけど、margin の指定やブロック要素の使い方で思うようにできなかった」といった人におすすめです。

本格的にサイトをゼロから作っていくチュートリアル系の本ではなく、「まずHTML5 + CSS3 についての基礎を身につけ、何ができて、どんなメリットがあるのかを理解しましょう」という立場の教科書です。

はじめにこの本を読んでおけば、次のステップで本格的な解説書を読み進めていくことができるでしょう。

そもそもHTML やCSS とは何なのか?

ありがたいのは、「そもそもHTML やCSS とはどんな役割を持つコンピュータ言語なのか?」という初歩的な疑問に答えているところです。

本のはじめには、以下のように定義付けがされていました。

【HTML5】

《HTML とは、ごく簡単に言えば、テキストにタグと呼ばれる印を付けて、それぞれの部分が何であるのかを示したテキストのことです。それぞれの印は〈ここから見出し〉〈ここまで見出し〉というようなパターンであらかじめ決められていて、HTML5 では約100種類あります。HTML を学ぶということは、その約100種類の印の意味を知り、印の付け方のルールを覚えることだと言えます。》(p.20)

【CSS3】

《それに対して、HTML の印によって示された各範囲の表示方法を指定するのがCSS です。たとえば、HTML で見出しの印をつけた範囲の「文字色」「背景色」「文字サイズ」などを指定できます。その「文字色」や「背景色」のように表示方法として指定できる種類は、HTML5 の印の種類よりもかなり多く、ぜんぶだと軽く150以上はあるでしょう(まだすべての仕様が確定しているわけではありませんので最終的にどのくらいの数になるのかは現時点では不明です)。ただし、CSS に関してはまだブラウザがサポートしていない機能も多くあり、現実的に使用できるのはだいたい100種類くらいであるとも言えます。》(p.21)

簡単な定義ですが、これがあるとないとでは、理解のしやすさが変わってきます。しかも、文系の人にもわかりやすいように、専門用語をできるだけ使わない配慮をしてくれています。

「CHAPTER 3 文法的なカタい話」では、もうすこし詳しいことも書かれています。

「CSSを独立させるメリット」「HTML のタグ付けを正しくするメリット」「HTML のバージョンについて」「CSS のバージョンについて」等々。この点は、くわしい人から見れば「常識レベル」の内容になりますが、初心者レベルの人(=自分)にとってはとてもわかりやすい説明でした。

重要なタグを中心に丁寧に解説

各章でタグの意味や使い方、使うときのミスしやすい注意点を順番に解説してくれています。全てをもれなく説明するような網羅的辞典ではなく、重要なタグに絞って丁寧に教えてくれるので、コンピュータ言語に詳しくない人にもよくわかるでしょう。

各章はタグ別で分類されているので、気になったところを中心に読むことも可能です。

初心者のためにサーバーの役割を解説

「CHAPTER 1 はじめる準備」では、インターネットとサーバーの関係を説明していました。

「インターネットにWeb ページを公開する」とはどういう仕組なのか、詳しくない人には全然わかりません。こういう仕組みをイラスト付きで解説しているのはありがたいです。

また、ふだん何気なく使っているGoogle Chrome やInternet Explorer、Safari などの「ブラウザ」や、HTML で作ったWebページを公開するときに必要な「FTP クライアント」の意味もキチンと教えてくれています。

さいごは復習を兼ねたチュートリアル

最後の章で、じっさいにサイトのページを作っていきますが、こちらはガイダンス的な感じです。それまでの章で学んだことを、もう一度復習するために用意されています。

ここは若干駆け足なので、さらっと読んで「なるほど今まで読んできたことでこんなことができるのかぁ」と実感できればいいとおもいます。チュートリアルは他の良書を使って学んでもいいでしょう。

本格的に学ぶための最初の一冊としておすすめ

この本の特長は《HTMLとCSSが同時進行で学べる新しいタイプの教科書》(p.3)という点です。HTML にしてもCSS にしても「合計で200以上もあるタグの意味と使い方」を覚えなければなりませんが、別々に学んでいては退屈でやる気が起きません。

この本では、「1つのタグを解説したあとで、それをじっさいに使ってみて、HTML とCSS の役割を同時に理解する」というプロセスを踏むので、《これからHTML とCSS を覚える人が”楽しみながら学ぶ”ための入門書》(同)としておすすめです。

個人的には、本のサイズや、色の使い方、ページ構成、解説の手順などが、気に入っています。マイナビの『よくわかる◯◯◯の教科書』シリーズはいい本が多いですね。

ちなみに、「HTML やCSS という言葉は聞いたことくらいしかなくて、本格的に学ぶ前の『ちょっと遊んでみる』程度の本」をさがしているのなら、こちらの本がオススメです。

『よくわかるHTML5 + CSS3 の教科書』が終わったら、次は『作りながら学ぶHTML/CSS デザインの教科書』(高橋朋代、森智佳子/ソフトバンク・クリエイティブ)がいいでしょう。

こちらはチュートリアル系の良書です。

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