WordPress とは ― オープンソースで作られた CMS / ブログツール

WordPress は数多くある CMS のひとつ

WordPress › 日本語の公式サイト

WordPress.org 日本語 公式サイト

WordPress は数多くある CMS(Content Management System)のひとつとして位置づけられています。CMS は、日本語で「コンテンツ管理システム」と呼ばれています。

ここでいう「コンテンツ」というのは、文章や画像、さらには動画や音楽といった、インターネット上に公開されている情報のことを指しています。そのようなコンテンツが大量にあっても、簡単に管理・公開することのできるツールが CMS になります。

ところで、WordPress は「ブログツール」としても認知されていますが、CMS と「ブログ」は少し違います。

「ブログ」は、元々「World Wide Web(インターネット)の Log(記録)」として「Weblog(ウェブログ)」という言葉が生まれ、それを略して「Blog」になりました。個人や数人のグループで運営し、定期的に更新される Web サイトの総称として広く認知されています。現在では、個人の日記から、時事ニュースの紹介、評論、サークル活動の報告など、多くの方々が利用しています。

ブログの特徴としては、情報の更新に重きが置かれているところです。定期的に記事を作成し、時系列で公開していきます。一方、CMS は数千単位の Web ページのコンテンツを管理・運営することが得意で、毎日のように頻繁に更新されるサイトを管理するのは不向きです。

開発当初は「ブログツール」として配布されていた WordPress は、バージョンアップを重ね、現在では CMS として十分な機能を備えています。基本的には日々更新される情報を作成し、公開していく機能がメインですが、ほとんど更新されない企業の公式サイトを作る際にも利用されています。

WordPress を使う前に、自分が運営しようとしているサイトの特性を考えてから導入するとよいでしょう。国内で大人気の WordPress ですが、場合によっては使う必要がなかったりします。たとえば、まったくといってよいほど更新しないサイトであれば HTML と CSS で作る方が簡単ですし、メンテナンスもしやすいはずです。

WordPress を利用するメリットとデメリット

WordPress はオープンソースで作られ、無料で、誰にでも利用が可能です。国内の CMS で最も人気があり、紹介する書籍の数もたくさん揃っています。

以下、いくつか WordPress を利用するときのメリットとデメリットを挙げておきます。

メリット

メリットはいろいろあるのでくわしく書いていきましょう。

商用利用が無料のソフトウェア

WordPress は無料でだれでも利用することができるソフトウェアです。後述するように、他にもレンタルサーバー(月額300円~)が必要ですが、ソフトウェアそのものは無料で配布されているので、自宅 PC にインストールして利用することも可能です。

商用利用がフリーで、シンプルな構造であり、非常に高い拡張性を備えているので、個人からWeb サイト制作会社まで広く利用されています。

HTML と CSS の知識がなくても利用できるシンプル設計

Web サイトを作るには HTML と CSS の知識が必要です。HTML で基本的な文字部分を構成し、CSS で配色やサイズ変更などのデザインを加えていきます。そのため、ある程度の知識と技術がないとインターネット上に Web サイトを公開することすらできません。

WordPress はセットアップするだけでも、ブログとして必要な機能を多くを備えています。基本的な機能だけならば HTML や CSS の知識がなくても利用できますさらに、その機能は「テーマ」を変更したり、「プラグイン」を追加することによって、簡単に変更・拡張することができるようになっています。

世界中で利用者が多い

WordPress は日本国内だけでなく世界中で利用されています。こちらは WordPress の最新版がダウンロードされた回数をカウントしている公式ページです。

WordPress Download Counter 公式ページ

WordPress Download Counter

スクリーンショットをした瞬間は 6,152,510 回になっていました。リンク先の数字は毎秒増え続けています。バージョン4.1 のリリースが2014年12月19日で、このスクリーンショットを撮った日が2015年1月7日です。まだ3週間も経っていないのに600万ダウンロードを超えています。

これだけ人気があるということは、それだけ使いやすく、信頼されていると考えられます。

テーマが豊富

「テーマ」というのはサイトのデザインを変えたり、基本機能を変えることのできる「着せ替え」機能です。これは無料で数多くが配布されています。最近流行りのフラットデザインやレスポンシブ Web デザイン、企業サイトでよく利用されるデザイン、シンプルなブログスタイルなど、多種多様です。デフォルトでは開発元である WordPress.org の公式テーマが適用されますが、管理画面から簡単に変更することができます。たとえば個人経営の店舗を紹介するサイトを作るときも、数十秒で変更できるでしょう。

シェアボタンがあらかじめ用意されているものや、ショッピングサイトに利用しやすいテーマもあります。SEO の工夫がされていたり、ブログに特化したシンプルなデザインのものもあります。公式ページ以外でも、企業や個人のサイトからサポートの付いた有料テーマを公開している場合もあります。

公式ページで調べてみたら、無料テーマの数は2,940ありました。

WordPress › Free WordPress Themes 公式ページ

WordPress › Free WordPress Themes

プラグインによる機能拡張が可能

2015年1月現在、35,361のプラグインが公式ページで配布されていました。

WordPress › WordPress Plugins 公式ページ

WordPress › WordPress Plugins

プラグインを使えばサイトにいろんな機能を追加することができます。WordPress を使わないサイトであれば、自分で JavaScript などを使って拡張性を持たせたりしますが、こちらは多くのプラグインが公開されています。

いくつか種類を挙げてみると、セキュリティ対策、キャッシュ機能、データベースの最適化、SNS との連携、画像スライド、サイトマップ作成、ウェブマスターツール関連、アフィリエイト広告の設置、エディタなど記事作成の支援ツール、バックアップ、SEO関連、ファイルの圧縮、リンク切れチェック、記事をコピーされたことのチェック、検索エンジンへの通知、日本語化、スパム対策、コメントフォーム、モバイル端末への表示最適化、ウィジェットの機能追加、など。

とても全部を紹介できません。ひとつのプラグインで複数の機能を利用できる優れものもあります。

知識と技術があれば高度なカスタマイズが可能

少しの知識と技術で自作テーマを作ることが可能です。これには HTML と CSS、PHP、JavaScript を勉強する必要があります。また、テーマやプラグインも作ることも可能です。

自作しなくてもプラグインを応用して利用することができます。これにはWordPress のテンプレートタグを HTML に記述します。ほとんど知識がなくても、多くのサイトでカスタマイズ方法を紹介しているので、それを参考にコピペしていけば、思い通りの使い方ができるでしょう。

WordPress に必要な関連書籍も豊富で、一般的な書店で多くを扱っています。

常に開発・更新されている

ソフトウェアもテーマもプラグインも常に進化し続けなければなりません。新しいデバイスの登場に合わせるだけでなく、ユーザーがアクセスする環境も変わってきます。最近ではモバイル端末の普及が進んで、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでの閲覧にあわせた機能やデザインにする必要があります。

また、セキュリティ上の問題があります。コンピュータウイルスは日々増え続けています。更新しないまま放っておくと、第三者による不正なアクセスや悪意ある操作をされる可能性が拭えません。それを回避するために、開発者はソフトウェアの脆弱性をなくしていき、今後の危機にそなえた仕組みを構築していかなければなりません。

WordPress が常に開発・更新しているということは、以上のようなことに、迅速に対応していく体制が整っているということです。

SEO に強い内部構造

WordPress は 検索エンジン最適化(SEO)に強い」とよく聞きます。セットアップするだけで、SEO に有効な仕組みの多くが備わっています。公開したコンテンツは検索結果の上位に表示されやすくなるでしょう。

ただし、注意してもらいたいのは、WordPress の内部構造が SEO に効果的なだけであって、コンテンツに価値がなければ検索エンジンの上位表示は実現ないということです。あくまでサイトのコンテンツにどれだけの価値があるのか、アクセスする人にとってどれだけ有益な情報があるのか、が大切です。中身のない広告だらけのサイトや、だらだらとした日記を書いているだけでは、検索エンジンの信頼性は高まりません。

テーマやプラグインによって SEO の施策が多くとられているものがあります。いろいろ探してみるとおもしろいでしょう。

利用者が多いので疑問やトラブルの解決方法が検索すればすぐに見つかる

人気があるということは、それだけ「多くの人が WordPress の情報を発信している」ということです。じっさい、何か新しいことをしたいと思って検索すると、だれかがどこかでその方法を書いていてくれます。これはとてもありがたいです。

トラブルが起きたときも同様です。わからなければ検索してください。きっとすぐに解決方法が見つかるでしょう。

自作したテーマやプラグインを配布できる

これもオープンソースで開発されているソフトウェア特有のおもしろい仕組みです。HTML や PHP を使って開発します。

自分の開発したテーマやプラグインを、WordPress 開発元のチェックを経た上で、公式ページで配布することが可能です。日本人でも配布されている方が何人もおられます。書籍でも紹介されていることもあるので、チェックしてみてください。

無料で公開・配布することもできますし、有料で配布している人も多くいます。

デメリット

デメリットは、メリットの裏返しでもありますし、簡単に箇条書きでまとめておきます。

  • 更新をほとんどしないサイトであれば使うメリットは少ない
  • ある程度サーバーのスペックが高くないと「503 エラー」になる場合がある
  • 世界中で利用されているので不正アクセスで狙われやすい
  • サイトのセキュリティ対策をする必要がある
  • 高度な変更をやカスタマイズをしたい場合には PHP などの知識が必要になる
  • カスタマイズをしないサイトでは似たようなデザインや機能になりがち

WordPress で Web サイトを作るための準備

さて、以上のようなメリットとデメリットを理解し、WordPress を利用することが必要だと判断したら、いくつか必要なものを揃えておきましょう。

最低限準備しなければいけないものは以下の4点です。

  • レンタルサーバー
  • 独自ドメイン
  • メールアドレス
  • 月額料金

基本的には、これだけあれば WordPress で Web サイトを運営していけます。

レンタルサーバーは WordPress を運用するための場所になりますし、独自ドメインはインターネット上の固有の住所です。メールアドレスはレンタルサーバーの会社と契約する際に必要で、月額料金はだいたい300円~1,200円になります。

もちろん、サイトの目的と運営方針によっては、これにプラスアルファされる項目があるでしょう。企業サイトであれば、個人情報の保護・管理をする仕組みが必要ですし、ショッピングサイトであればキャッシングのシステムが要ります。メールマガジンを導入したい場合、アフィリエイトを加えたい場合など、いろいろです。

こういったことは各々で調整していきましょう。むしろ、そういった個別の要求に応えていけるのが WordPress を使う最大のメリットだと考えられます。

 
 

 
 

 
 

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